こんにちは。なかじま内科・整形スポーツクリニック副院長の中島潤です。
これまでのコラムでは、大腸がんと内視鏡検査について、また「大腸カメラって、実際どんな検査?」というテーマで、検査の流れをご紹介してきました。
今回は、大腸カメラを受けた際によく話題になる「大腸ポリープ」についてお話ししたいと思います。
「ポリープが見つかったら、がんなのでしょうか?」
「見つかったら、必ず切除しなければいけないの?」
「ポリープを取った後は、どうなるの?」
このような疑問や不安をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、大腸ポリープとは何か、なぜ切除が必要になるのか、そして切除後に大切なことについて、わかりやすく解説します。
大腸ポリープとは?
大腸ポリープとは、大腸の内側を覆う粘膜にできる、いぼのような隆起のことです。
ポリープにはいくつかの種類があり、すべてが大腸がんになるわけではありません。
そのなかでも、代表的なものが「腺腫(せんしゅ)」と呼ばれるポリープです。腺腫の一部は、時間をかけて大きくなり、がんへと進行することがあります。
また、鋸歯状病変(きょしじょうびょうへん)と呼ばれる病変のなかにも、大腸がんの発生に関係するものがあります。
大腸がんは、こうした病変から発生することがあるため、検査でポリープを発見し、適切に対応することが大腸がんの予防につながります。
ただし、ポリープの種類や性質は、見た目だけですべてを判断できるわけではありません。必要に応じて、切除した組織を病理検査で詳しく調べます。
ポリープが見つかったら、必ず切除するの?
ポリープが見つかった場合、すべてを一律に切除するわけではありません。
切除が必要かどうかは、ポリープの種類や大きさ、形、表面の特徴などを総合的に判断します。
大腸がんになる可能性がある病変や、すでにがんが疑われる病変では、適切な治療を検討する必要があります。
一方で、がん化のリスクが低いと考えられる病変などでは、必ずしも切除が必要とは限りません。
大切なのは、ポリープの性質を見極め、それぞれの状態に合った対応を選ぶことです。
大腸ポリープは、どのように切除するの?
内視鏡で切除できるポリープであれば、大腸カメラを使って切除することができます。
代表的な方法に、スネアという専用の器具を使ってポリープを切除する方法があります。病変の大きさや形、位置などに応じて適切な方法を選択します。
内視鏡による切除は、お腹を切る手術をせずに治療できることが大きな利点です。
小さなポリープであれば、検査中にそのまま切除できる場合もあります。ただし、すべてのポリープをその場で切除できるわけではありません。当院では約10mm大以下の内視鏡上「腺腫」が疑われる病変を切除適応としています。
大きな病変や、がんが疑われる病変などでは、より専門的な治療が必要となることがあり、適切な医療機関への紹介を検討します。
また、内視鏡による切除にも、出血や腸に穴が開く穿孔(せんこう)などの合併症リスクがあります。病変の状態や患者さんの全身状態などを踏まえ、治療方法を判断することが重要です。
ポリープを切除した後は、どうなるの?
ポリープを切除した後は病理検査を行い、どのような種類の病変だったのか、がんの成分が含まれていないかなどを詳しく調べます。
その結果によっては、追加の治療や専門施設での診療が必要になることもあります。
また、切除後は出血などの合併症に注意する必要があります。食事や運動、飲酒、入浴などについては、切除方法や病変の状態に応じて医師から説明を受け、指示を守ることが大切です。
そして、もうひとつ忘れてはいけないのが、次回の大腸内視鏡検査です。
ポリープを切除しても、将来、新たなポリープができることがあります。適切な間隔で検査を続けることが、大腸がんの予防や早期発見につながります。
当院での大腸内視鏡検査後のフォローについて
当院では、日本消化器内視鏡学会などのガイドラインを参考に、ポリープの大きさや個数、病理検査の結果、切除方法などを総合的に判断し、次回の検査時期をご案内しています。
一つの目安として、次のように考えています。
- 約5年後: 大腸内視鏡検査で異常がなかった場合や、小さなポリープを1~2個切除した場合
- 約3年後: 複数の腺腫を切除した場合など
- 約1年後、またはそれより早期: 多数の腺腫を切除した場合や、大きな病変や早期大腸がんなどを切除した場合、その他、病変の状態から早めの確認が必要と判断した場合
ただし、これらはあくまで目安です。ポリープの種類や大きさ、病理検査の結果、切除が完全に行われたかどうか、初回検査時に大腸全体を十分に観察できていたかなどによって、適切な検査時期は異なります。
特に、早期大腸がんを切除した場合や、大きな病変を分割して切除した場合などは、より早い時期の検査や追加の治療が必要になることがあります。
検査結果に応じて、一人ひとりに適したフォローアップをご提案いたしますので、次回の検査時期についてもお気軽にご相談ください。
大腸がんを防ぐために、定期的な検査を
大腸ポリープは、自覚症状がほとんどないことも珍しくありません。
便通に問題がなく、腹痛や血便などの症状がない場合でも、ポリープが見つかることがあります。
だからこそ、症状が出てから検査を受けるだけでなく、年齢やリスクに応じて適切な検査を受けることが大切です。
当院では、胃カメラ・大腸カメラによる内視鏡検査を行っており、対応可能な大腸ポリープについては日帰りでの内視鏡切除にも対応しています。
鎮静剤を使用した検査についてもご相談いただけますので、検査に不安や抵抗を感じている方も、どうぞお気軽にご相談ください。
大腸がんは、早期発見と適切な対応が重要な病気です。
「まだ症状がないから大丈夫」と思わず、ご自身の健康を守るために、大腸内視鏡検査について一度考えてみてはいかがでしょうか。
今後も、皆さんの健康に役立つ情報を、わかりやすくお伝えしていきたいと思います。
なかじま内科・整形スポーツクリニック
副院長 内科・消化器内科 中島潤


