こんにちは。
医療法人なかじま内科・整形スポーツクリニック、副院長の中島 潤です。
日々の診療で患者さんとお話ししていると、
「胃カメラは受けたことがあるけど、大腸カメラはまだ受けたことがない」
という方が意外と多くいらっしゃいます。
中には、
「特に症状がないから大丈夫でしょう」
「便は普通に出ているし……」
「血便もないから、まだいいかな」
とおっしゃる方もいます。
お気持ちはよく分かります。
大腸カメラは、胃カメラに比べても少しハードルが高く感じますよね。
ただ、消化器内科の医師として、皆さんにぜひ知っておいていただきたいことがあります。
それは、
大腸がんは、症状がないうちに見つかることが少なくない
ということです。
「症状がないから大丈夫」とは限りません
大腸がんと聞くと、
「血便が出る」
「お腹が痛くなる」
「便秘になる」
といった症状を思い浮かべる方が多いと思います。
もちろん、こうした症状が出ることはあります。
しかし、早い段階の大腸がんでは、ほとんど症状がないこともあります。
ここが大腸がんの難しいところです。
「何ともないから病院に行かない」
その気持ちは自然なことですが、症状がないからこそ、検診などを利用して早めに見つけることが大切なのです。
まずは「便潜血検査」から
では、何をすればいいのでしょうか。
まず皆さんにおすすめしたいのが、**大腸がん検診の「便潜血検査」**です。
便を少量採って提出するだけなので、身体への負担も少ない検査です。
「そんな簡単な検査で分かるの?」
と思われるかもしれません。
便潜血検査は、大腸からの出血がないかを調べることで、大腸がんなどの病気を見つけるきっかけになります。
40歳以上の方には、毎年の大腸がん検診として便潜血検査が推奨されています。
まだ受けたことがない方は、ぜひ一度受けてみてください。
「便潜血が陽性」と言われたら
健診の結果を見て、
「便潜血+」
「便潜血陽性」
と書いてあったら、少しドキッとしますよね。
でも、まず知っておいてください。
便潜血陽性=大腸がん、ではありません。
痔など、大腸がん以外の原因でも陽性になることがあります。
ただし、
「痔があるから、そのせいだろう」
と自己判断して、そのままにしてしまうのは避けていただきたいと思います。
便潜血検査が陽性になった場合には、なぜ陽性になったのかを調べるための精密検査が必要です。
その代表的な検査が、大腸内視鏡検査、いわゆる「大腸カメラ」です。
大腸カメラは「がんを探すだけ」の検査ではありません
ここは、ぜひ皆さんに知っておいていただきたいところです。
大腸カメラというと、
「大腸がんがあるかどうかを見る検査」
と思われるかもしれません。
もちろん、それも大切な目的です。
でも、それだけではありません。
大腸カメラでは、大腸の中を直接見ることができます。
そのため、大腸ポリープなど、将来的にがんになる可能性がある病変を見つけることができます。
そして、必要な場合には、その場でポリープを切除することもあります。
つまり、
「がんを早く見つける」だけでなく、
「がんになる前の段階で見つけて対応する」
ことができるのです。
これは、大腸カメラの大きなメリットの一つです。
「血便がないから大丈夫」と思っていませんか?
ここでもう一つ、よくあるお話をします。
「便に血がついていないので、大腸は大丈夫ですよね?」
実は、そうとも限りません。
早期の大腸がんでは、目に見える血便がないこともあります。
ですから、
「血便がない」
「お腹が痛くない」
「便通も普通」
ということだけでは、大腸が健康だとは言い切れません。
特に40歳を過ぎたら、まずは毎年の便潜血検査を受けること。
そして、もし陽性になったら、
「症状がないから、もう少し様子を見よう」
ではなく、一度きちんと精密検査を受けていただきたいと思います。
「大腸カメラはちょっと怖い……」
実際、診察室で一番よく聞くのが、この言葉かもしれません。
「大腸カメラ、受けたほうがいいのは分かっているんですけど……」
そう言われると、私はいつも、
「何が一番心配ですか?」
とお聞きします。
すると、
「検査が痛そう」
「前に受けたときにつらかった」
「下剤を飲むのが大変そう」
「恥ずかしい」
など、皆さんそれぞれに不安があります。
大腸カメラは、確かに「気軽に受けられる検査」とは言えません。
だからこそ、不安なことは遠慮せずに医師に相談してほしいと思っています。
当院では、患者さんの状態やご希望を確認しながら、必要に応じて鎮静剤を使用した大腸内視鏡検査にも対応しています。
また、検査でポリープが見つかった場合には、病変の状態を確認したうえで、可能なものについては日帰りでのポリープ切除にも対応しています。
「大腸カメラを受けるべきなのか分からない」
という方でも構いません。
まずは相談に来てください。
こんなことがあったら、一度ご相談ください
例えば、
「健診で便潜血が陽性だった」
これは、ぜひ一度ご相談いただきたいケースです。
そのほかにも、
- 40歳を過ぎたけれど、大腸の検査を受けたことがない
- 以前、大腸ポリープが見つかった
- 血便があった
- 最近、便秘や下痢が増えてきた
- 以前と比べて便通が変わってきた
- 貧血を指摘された
- ご家族に大腸がんになった方がいる
- 「そういえば、しばらく大腸を調べていないな」と思った
このような場合には、一度相談に来てみてください。
もちろん、すべての方に大腸カメラが必要というわけではありません。
年齢や症状、これまでの検査結果、ご家族の病歴などを考慮して、検査が必要かどうかを一緒に考えていきます。
「何もないこと」を確認することも、検査の大切な役割です
私は、内視鏡検査を「病気を見つけるためだけの検査」だとは考えていません。
「何もなかった」と確認できることも、検査を受ける大きな意味の一つだと思っています。
もちろん、検査を受けること自体に不安があるのは当然です。
だからこそ、
「本当に自分には検査が必要なのかな?」
というところから、医師に相談していただいて構いません。
大腸がんは、早い段階で見つけることができれば、治療の選択肢も広がります。
そして、大腸ポリープの段階で見つけることができれば、将来の大腸がん予防につながる場合もあります。
「症状がないから、まだいいかな」
そう思っている方にこそ、一度ご自身の大腸について考えていただければと思います。
これからも元気に過ごすために。
まずは便潜血検査を受けること。
そして、検査結果や気になる症状があれば、そのままにせずご相談ください。
「大腸カメラ、ちょっと受けてみようかな」
そう思われたときは、ぜひご相談ください。
患者さん一人ひとりの不安を伺いながら、できるだけ安心して検査を受けていただけるよう、ご説明いたします。


