副院長コラム第四回「胃もたれ・胸やけが続いていませんか? 知っておきたい胃の不調と原因」|なかじま内科・整形スポーツクリニック|浜大津駅の内科・整形外科

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副院長コラム第四回「胃もたれ・胸やけが続いていませんか? 知っておきたい胃の不調と原因」

副院長コラム第四回「胃もたれ・胸やけが続いていませんか? 知っておきたい胃の不調と原因」|なかじま内科・整形スポーツクリニック|浜大津駅の内科・整形外科

こんにちは。なかじま内科・整形スポーツクリニック副院長の中島潤です。

食事のあとに胃が重い、胸のあたりが焼けるように感じる、酸っぱいものが口まで上がってくる。診察をしていると、このような胃の不調について相談を受けることがよくあります。

食べ過ぎや飲み過ぎが原因のこともありますが、同じ症状を何度も繰り返す場合には、胃や食道の病気が隠れていることもあります。

今回は、日常的によくみられる胃の不調について、代表的な病気や受診を考えたい症状をお話しします。

胃もたれや胸やけ、その原因は?

① 食後に胃が重い、すぐに満腹になる

食事をすると胃が重たくなる、少し食べただけでおなかがいっぱいになる、みぞおちのあたりが痛む。このような症状が続いている方はいませんか。

こうした症状の原因の一つに、「機能性ディスペプシア」があります。

機能性ディスペプシアは、胃カメラなどで調べても症状を説明できる明らかな異常が見つからない一方で、胃もたれや早期満腹感、みぞおちの痛みなどが続く病気です。

では、検査で目立った異常がないのに、なぜ症状が起こるのでしょうか。

その理由の一つは、胃の働きにあります。食事をすると胃は食べ物を貯めるために広がり、少しずつ十二指腸へ送り出していきます。この働きがうまくいかないと、少量でもすぐに満腹になったり食後の胃もたれが続いたりすることがあります。

また、胃や十二指腸の神経が刺激に敏感になり、通常なら気にならない程度の刺激でも、不快感や痛みを感じることがあります。ストレスや睡眠不足などが症状に影響する場合もあります。

つまり、機能性ディスペプシアは、単に胃の働きが悪いというだけではありません。胃腸の動きや感覚、脳との情報伝達など、いくつかの要因が重なって起こる病気です。決して気の持ちようだけで起こるものではありません。

治療では、症状に応じて胃の働きを整える薬や胃酸を抑える薬などを使います。食事の量や時間、生活習慣を見直すことも役立ちます。

「昔から胃が弱いから」「食べ過ぎただけだろう」と考えて我慢している方も、一度相談してみてください。

② 胸が焼ける、酸っぱいものが上がってくる

胸のあたりが焼けるように感じる。酸っぱいものが口まで上がってくる。食後や横になったときに、胸や喉のあたりが気になる。

こうした症状がある場合は、逆流性食道炎の可能性があります。

逆流性食道炎は、胃の内容物が食道へ逆流し、食道の粘膜に炎症が起こる病気です。胃は胃酸に耐えられる仕組みを備えていますが、食道は胃ほど強くありません。そのため、胃酸の逆流が繰り返されると、粘膜に炎症やただれが生じることがあります。

逆流性食道炎は、日常診療でもよくみられる病気です。食生活や体重、加齢に伴う変化など、さまざまな要因が関係します。

例えば、次のような習慣に心当たりはないでしょうか。

・ 食べ過ぎや脂っこい食事:一度にたくさん食べたり、脂肪の多い食事を摂ったりすると、胃の内容物が

  逆流しやすくなることがあります。

・ 食後すぐに横になる:食べて間もなく横になると、胃の内容物が食道へ戻りやすくなります。夕食が遅

  くなり、食べてすぐに寝る習慣がある方は、少し時間を空けることを意識してみてください。

・ 体重の増加:おなか周りの脂肪が増えると、腹部の圧力が高まり、逆流が起こりやすくなります。

・ 加齢や食道裂孔ヘルニア:胃と食道のつなぎ目には、逆流を防ぐ仕組みがあります。加齢による変化

  や、胃の一部が横隔膜の隙間から胸側へ入り込む「食道裂孔ヘルニア」によって、この仕組みが弱まる

  ことがあります。

・ 喫煙や飲食物の影響:喫煙や、コーヒー、アルコールなどが症状を悪化させる方もいます。ただし、影

  響には個人差があるため、症状が出やすいものを把握して調整することが大切です。

また、ピロリ菌の除菌治療を受けたあとに、胸やけなどが気になるようになる方もいます。除菌によって胃酸の分泌が回復することなどが、その一因と考えられています。ただし、除菌後に必ず逆流性食道炎になるわけではありません。

治療では、胃酸の分泌を抑える薬などを使用します。症状が改善する方も多い一方で、胸やけの原因は逆流性食道炎だけとは限りません。薬で症状がよくなったとしても、それだけで食道や胃に異常がないと判断することはできません。

胸やけを何度も繰り返す方や、市販薬などを使っても改善しない方は、一度医療機関で相談してみてください。

③ みぞおちが痛い、胃の不快感が続く

みぞおちが痛む、胃のあたりがシクシクする、食事のたびに不快感がある。このような症状では、胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍なども考えられます。

こうした病気の原因として知られているのが、ピロリ菌感染や一部の痛み止めの使用です。

ピロリ菌は胃の粘膜に慢性的な炎症を起こし、胃潰瘍だけでなく胃がんのリスクにも関係しています。また、痛み止めの中には、胃や十二指腸の粘膜を傷つけ潰瘍を引き起こすものがあります。

胃の不調は症状だけで原因を見分けることが難しい場合があります。長引く痛みや繰り返す不快感があるときは原因を確認することが大切です。

こんな症状があるときは、早めにご相談ください

胃もたれや胸やけは、食べ過ぎを避ける、食後すぐに横にならない、就寝前の食事を控えるといった工夫で軽くなることがあります。

ただし、症状が長く続いたり何度も繰り返したりする場合は、生活習慣だけが原因とは限りません。

特に、次のような症状がある方は注意が必要です。

・ 意図せず体重が減ってきた

・ 食べ物がつかえる、飲み込みにくい

・ 健診などで貧血を指摘された

・ 黒い便が出る

・ 強い痛みがある、急に症状が悪化した

こうした症状がある場合は、胃や食道の病気が隠れている可能性があります。黒い便や強い痛みなどがあるときは、速やかに医療機関を受診してください。

胃カメラで確認できること

胃の不調の原因を調べる方法の一つが、胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)です。

胃カメラでは、食道・胃・十二指腸の粘膜を直接観察できます。逆流性食道炎や胃潰瘍などの診断に役立つほか、胃がんや食道がんを発見するためにも重要な検査です。必要に応じて組織を採取し、詳しく調べることもできます。

一方で、胸やけなどの症状があっても、胃カメラで明らかな異常が見つからないこともあります。検査の必要性は、症状の経過や年齢、他の病気の可能性などを踏まえて判断します。

胃もたれや胸やけは、誰にでも起こり得る身近な症状です。しかし、いつものことだからと我慢しているうちに、治療が必要な病気が見つかることもあります。

当院では、症状や状態に応じた診療を行い胃カメラを行うことも可能です。検査に不安がある方には、鎮静剤を使用し「うとうとした状態」や「眠った状態」とし、胃カメラを行うこともご相談いただけます。

気になる症状が続いている方は、どうぞお気軽にご相談ください。

次回は、胃の病気と深く関係する「ピロリ菌」を取り上げます。胃がんとの関係や、検査・除菌治療についてお話しします。

 

 なかじま内科・整形スポーツクリニック

 副院長 中島潤


参考文献

  1. Miwa H, Nagahara A, Asakawa A, et al. Evidence-based clinical practice guidelines for functional dyspepsia 2021. Journal of Gastroenterology. 2022;57(2):47–61. doi:10.1007/s00535-021-01843-7.

  2. 日本消化器病学会 編.『胃食道逆流症(GERD)診療ガイドライン2021(改訂第3版)』南江堂,2021.

  3. Katz PO, Dunbar KB, Schnoll-Sussman FH, et al. ACG Clinical Guideline for the Diagnosis and Management of Gastroesophageal Reflux Disease. The American Journal of Gastroenterology. 2022;117(1):27–56. doi:10.14309/ajg.0000000000001538.

  4. Sugimoto M, Murata M, Mizuno H, et al. Endoscopic Reflux Esophagitis and Reflux-Related Symptoms after Helicobacter pylori Eradication Therapy: Meta-Analysis. Journal of Clinical Medicine. 2020;9(9):3007. doi:10.3390/jcm9093007.

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