骨折は、強い外力が加わり骨が折れるもしくはヒビが入る状態を言います。骨折の種類や部位に応じて、ギプス固定や装具によるサポート、ずれが強い場合は手術による整復固定、必要に応じてリハビリテーションなどが行われます。特に高齢者の場合、骨粗鬆症が原因で骨折が起こりやすく、治療と予防が重要です。骨粗鬆症が原因で生じた骨折は治療後も骨粗鬆症に対する治療の継続が望まれます。

関節の軟骨がすり減り、骨同士が擦れ合うことで痛みやこわばりを引き起こす疾患です。すべての関節において生じる可能性がありますが、主に膝関節や股関節、指関節などに発生します。
治療は、薬物療法や注射、インソールなどの装具療法、リハビリテーションなどを行いできるだけ手術をしない治療を試みますが、重度の場合は人工関節置換手術が行われます。

年齢的な椎間板の変性や椎間関節の変形、脊椎の圧迫骨折などに伴う痛みもありますが、姿勢不良や背筋筋力の低下、臀筋や股関節のタイトネスなど様々な原因により腰痛や背部痛が生じます。原因が何に由来するものか、しっかり調べて投薬やリハビリテーションなど適切な治療を行うことをサポートします。

椎間板が変性し圧迫された結果、膨隆・突出し、神経を圧迫することで、上肢や下肢にしびれ・痛み・時には筋力低下を引き起こす疾患です。保存療法として薬物療法やリハビリテーション療法が用いられます。

椎間板の変性や椎間関節の変形などに伴って脊柱管（神経のトンネル）が狭くなり、神経が圧迫されることで腰痛や下肢のしびれ、歩行障害が発生する疾患です。保存療法や手術療法・リハビリテーションを通じて症状の改善を図ります。

滑膜細胞をターゲットとする、免疫系の異常により関節が炎症を起こし、痛みや腫れ、軟骨の消失、関節の変形が進行する自己免疫疾患です。治療は投薬がメインとなり、抗リウマチ薬や生物学的製剤が使用され、必要に応じてリハビリテーションや装具治療も併用して行われます。

スポーツや事故による外傷に伴うようなアキレス腱断裂や膝の前十字靭帯損傷・腱板断裂などがありますが、腱板断裂などにおいては慢性的な摩耗、変性などによっても起こりえます。これらは、できる限りの保存治療を進めますが、手術による修復が必要となることもあります。

骨密度・骨質が低下し、骨がもろく潰れやすくなってしまう疾患です。特に高齢女性に多く見られます。骨折のリスクが高まるため、骨密度測定やカルシウム、ビタミンDの補充、骨吸収抑制薬・骨形成促進剤の使用などで予防と治療が行われます。

肩の関節内を中心として周囲組織に炎症が起こり、肩の痛みや可動域制限が発生する疾患です。ポピュラーな疾患でありながら、治療が難渋することも少なくない疾患です。炎症期には夜間痛を伴うことも多く、しっかりとした診断とその疾患フェーズに沿った治療が必要となる疾患です。炎症期には徹底的に消炎を図ります。時には関節内注射が行われます。拘縮期の治療としてはリハビリテーションが必要です。

腱付着部症と言われる疾患で、腱の付着部にかかるoveruseと腱そのものの変性に伴う痛みを症状とします。装具や薬物治療を行いますが、コンディショニング不良に伴う部分も多く、リハビリテーションで改善を図ります。

腱を覆う鞘に炎症が起こり、手首や指の痛み、動きの制限をもたらす疾患です。保存療法として薬物療法や安静、場合によってはステロイドなどの注射が行われます。

スポーツに伴う外傷・損傷に対する治療において最も大切なのは正確な診断とリハビリテーションです。腰椎分離症をはじめとする疲労骨折は、場合によってはMRIという画像診断でのみ判明することが多い疾患ですが、これらは治療が遅れると、競技復帰が危ぶまれるものも少なくありません。当院では高性能MRIを撮像可能であり、早期発見・早期治療を可能とする環境を提供できます。また肩肘においてはリトルリーグショルダー・肘離断整骨軟骨炎（OCD）などの治療についてもしっかりとした診断の上、リハビリテーションによるコンディショニングが重要となります。患者様により沿った治療を提供していきたいと思います。

実は意外と肩凝りで困っていらっしゃる患者様は少なくありません。スマホやデスクワーク、不良姿勢など日常生活での習慣がベースとなって発症しているケースが多い印象です。それゆえに投薬などの対症療法では根本的に改善が得られず、慢性的に痛みを抱え、QOLの低下につながってしまいます。肩こりについてもリハビリテーションが有効となります。

これらの疾患は、早期の診断と適切な治療が重要です。整形外科では、これらの疾患に対して専門的な治療を提供し、患者様の生活の質を向上させることを目指しています。